マクロスF 作画でmixiやや炎上ぎみだけど

まず最初にお断りしておきますが、mixiでの表題の問題について言及する気はありません(笑)。
一言だけ感想を言うなら「若いなー(笑)」ということだけですね。「青いなー」でもいいですけど。
あ、二言ですね(笑)。

これから書こうと思っているのは、20年近くゲームを開発してきた経験から、表題の件で思い出したことについて。そのためにざっくりと表題の件とオレ自身の説明をしますね。

今年で42になったオッサンが毎週楽しみに見ているのが「(フロンティア)」というアニメ。これより前に毎週心待ちにしたTVアニメをちょっと思い出せない。バッカーノかな? TVをつけた時に放送してればついつい観ちゃうのはあったけどね。サイボーグクロちゃんとか(笑)。オレと同じごーくんでてくるし(笑)。カウボーイビバップは大好きだけど、リアルタイムで観てないし。

オレは若い頃からクリエイターになりたいとずっと思っていて、中学生の頃、安彦良和さんに「アニメーターになりたい」って手紙を出したほど。安彦さん、すごく親身に「やめておきなさい」って返事くれました(笑)。

そんなオレはアニメ好きでマンガ好きだったんだけど、好きなモノ以外は興味なくて、アニメなら何でも語れるとか、マンガはかなりコアなモノまで知ってるとか、そういうタイプのヲタクではありませんでした。モノを作る職業として興味があったんですね。だから、楽しみ方も単純に物語を楽しみながらも、「ここはこういう意図でこういう手法で作ってるんだな。勉強になるなー」「あ、これは意図はわかるけど、イイとは思わないなー」みたいな視点。

ちなみに、当時好きだったのはやっぱりガンダムとマクロス。どちらもあらゆる意味でエポックメイキングだった。その新しいことが起こっている渦中にいることを経験できたことが楽しかったんですね。
とは言っても、ガンダムは基本的にいわゆるファーストとZ(ゼータ)でお腹一杯だし(OVAの08小隊は結構好き)、マクロスもオリジナルとゼロとプラスが好き。2は観たけど記憶に残ってないし(笑)7はオレ的に論外。その他はイデオンやダンバインとか。

高校生になると、リアルにアニメーターは食っていくのが大変そうやから、マンガ描こうってことで、興味の対象はアニメよりマンガに。しかも職業として勉強する意味が強かったから、自分の絵に近い作家のものや、こんな絵なら描けるんじゃないかと思う作家のものを研究しました。
こっちもちなみに好きだったのは、絵柄ではかがみあきら、岡野史佳、わかつきめぐみといった方向で、プロとしてはあらゆるジャンルを量産する細野不二彦がすげーと。あ、高校の頃は斜に構えたたがみよしひさも魅力的に思えましたねー。軽シン、今思うと青い(笑)。

そして少年サンデーの新人賞に応募して、最終で落ちるのです。でも、担当さんが付いてくれました。上京を薦められましたが、家庭の事情で諦めてしまったのです(さらにちなみに、当時は原秀則さんか石ノ森章太郎さんのアシスタントからやらないかと)。

その後、高卒のオレが現場でたたき上げて他人と勝負できるのは絵しかないと思って、ゲーム業界へ。正直、絵で食えれば何でも良かったんですね。ゲームなんて詳しくないし。

でもね、何十人もがよってたかっていいモノを作ろうともがく現場は、アツくて楽しかった。もともとアニメーターも視野に入れてたオレは、ドットアニメ天才的だったですよ(笑)。
当時、2つ年下の先輩にスゴイ人がいて、オレ、尊敬してました。超ヲタクだったけど、いいモノを創るための時間は惜しまないアーティスト的立場を貫いてました。

オレは上を狙ってたので(笑)、商業的視点も身につけようと必死でした。もっと描きたいと言う欲求と格闘し、人件費などのビジネス感、商品として妥当なラインまでの仕事とはなんぞやと考え続け…。

まー、もともと絵描きなので、どうすれば会社が儲かるかを考えるのなんて苦手なんですよ。やっぱり。だけど、当時は不器用ながらディレクターもこなしてました。過去の栄光でしかないんだけど、サムライスピリッツシリーズを創ってたっていえば、ほほう、くらいには思ってくれる人もいるんでないかと。その程度の仕事はしたかなと。

mixiのマクロスFコミュでは、1話ごとにその感想を書き込むトピがあるんだけど、その中で、作画が酷いって書き込みが発端となって、気になる人と気にならない人がぶつかったわけですよ。
気になる人はヘタだと言って何が悪い、オレ達ゃ客だと言い、気にならない人は好きな作品をけなさないでと言う。冒頭で書いたように青い話ですねえ。

ただ、それらに目を通していて思い出したのが、作り手として頑張ってた頃の経験。先述のようにオレは元来絵描きなのに、無理して立場の違う制作側も立ち回ってきたから作画がマズかった今回のマクロスFの事情も想像できてしまうんですよね。それが良いか悪いかではなく。

河森総監督以下、百戦錬磨のスタッフが「率いる」マクロスF、マズい作画に気が付かないわけがない。商品として妥当なラインまでできていなくても、リテイクする時間もリテイクする技術もないなら、期限(放送)に間に合わせるというビジネスとして最低条件をクリアするしか選択肢がない。ただし、この場合の「ビジネス」は顧客(視聴者)は含まれない。あくまでも制作費を受け取るというところまでのビジネス。

じゃ、なぜ期限内にリテイクすることができないのか?

要するに、技術者、職人が生活できない日本のビジネス環境が根本的な問題なのかなと。

全国民がオトナになると経済活動を通じて金銭を得て生活し、税金を支払わなくちゃいけないわけで、多くの一般的日本人や政治家は物質的豊かさや消費が成功の証と思っているわけで、そういう風潮が日本の世の中の体制を支配しているわけですよ。
つまり、全ての人がビジネスマンでなくてはならず、金を儲けるヤツが偉いと。というか、むしろ金を儲けて偉くならないヤツは無能だと。

で、特に経営者側はコスト削減のために職人に妥当な賃金は支払わず、人件費が安い海外にその行程は流出。日本では職人は喰っていけないので若手は寄りつかず、来ても育たず。

よく言われていることではあるけど、オレたち職人的仕事感を持つ世代の下はスカスカ。金儲けしたいヤツは後を絶たないけど、「どうだ、これってスゴイだろ~!」的な部分に価値を求めるヤツがオレたちの上にも下にもいないのではどうしようもない。

こんな閉塞感、同世代の多くは感じてるんじゃないのかな。

本当にやりたいことをして生きていければ一番の幸せ。オレのように、まあ、やりたいことの拡大解釈のウチで生きていければそれも幸せ。
だけど、本当にやりたいことをして生きていくためのハングリーな努力をするべきだったんじゃないかという後悔の念も、日に日に募るばかり。

「どんだけ長いこと上手くいかない時期が続いても、できるまでやれば成功しか残らんやろ」
東大阪の小さな工場で、ニッチながら世界一の技術で「成功」している社長の言葉。
TVで観ていてなるほど~、と思った。
なるほど~って思ってる場合なのか、オレ? とも思った。

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8 Comments

  1. avatar
    2台目 8月 19, 2008 7:41 pm  返信

    >くみちょ
    流石にグッズに小遣いまわせるほど経済状態がよくないので
    ONAIR視聴のみっすけど毎週日曜日の朝っぱらから楽しませてもらいましたよ
    一言で表すなら

    R35世代がザブングルをリメイクするとこうなるんだろうなぁ

    って感じっすか
    個人的にはキャラの死によって感動を促すやり方が
    昔っから大っ嫌いなので首を捻る所もあるんですけど
    近年稀に見る活きの良さというかノリの良さは特筆物じゃないっすか?

    見て損は無いと思いますよ>GO-1さん

  2. avatar
    Go-1 8月 19, 2008 3:33 pm  返信

    いやいや、このブログでヲタトークが盛り上がることは少ないので、どうぞ遠慮なく(笑)。
    つーかもっとやれ(爆)。

    グレンラガン、観てないなー。噂には聞いてるけど。
    てかさ、フィギュア購入って>くみちょ(爆)。

    就職したらDVD借りるわさ。
    それか、くみちょが仕事紹介してくれたら。
    グレンラガン観せたかったら、仕事をくれ!

  3. avatar
    くみちょ 8月 19, 2008 12:29 am  返信

    >2台目さん
    さすがです。
    グレンラガンに関しては語り出すととまらないので(笑)自重しますが、本放送チェック→録画(及びネット)チェック→声優のネットラジオチェック→本放送終了と同時の深夜再放送チェック→DVD予約→DVD補完→フィギュア購入・・・と味わい尽くしております。

    あ、もちろん(爆)サントラCD、ゲーム@DS、小説なども購入済み。

    はい。病気です(笑)

    で、2台目さん的にはいかがでしたかな?@グレンラガン

    あっ、人様のブログで語り出してすみませんorz>Go-1さん

  4. avatar
    2台目 8月 18, 2008 8:58 pm  返信

    >くみちょ
    うふふふふふ・・・
    ONAIR時からチェックしてましたがな

  5. avatar
    くみちょ 8月 18, 2008 1:35 pm  返信

    「板野サーカス」や「金田」、「大塚康夫」の文字におもわず反応。(^_^)

    昨今のアニメにお嘆きな貴兄に是非見ていただきたい作品があります。

    それは『天元突破グレンラガン』です。

    ここ数年、いや自分のアニメ歴でもっともはまった(はまってる)テレビアニメです。
    細かい内容はwikiっていただくとして(笑)、個人的に「アニメーターのアニメーターによるアニメーターのためのアニメ」だと認識しています。
    制作に手抜きを感じられず、むしろテレビアニメでここまでやるのか!とアニメーターの睡眠時間を心配するほどのクォリティ。

    あ、金田飛びだっ! あ、板野サーカスだっ! あ、タツノコ爆発だっ!と、いろいろなアニメのオマージュ(パロディ?)だったり受け継がれてきたアニメの技法を制作スタッフが楽しんで作っているのが目に浮かんできます。

    きっとGo-1さんや2台目さんにも楽しめる作品だと思います。
    もしまだご覧になっていなかったらお近くのレンタルビデオへレッツラゴーー! 
    騙されたと思って見てください。(^_-)v

  6. avatar
    2台目 8月 18, 2008 9:23 am  返信

    ふと思ったけど
    今騒いでる子らに
    大塚康生原画の未来少年コナンにおけるラナとかを
    事前に見せた上でコナンのアクションを見せたら
    どういう反応が返ってくるんでしょうネェ~

    >板野サーカス
    個人的にはCGでやるようになって以降見限ってます(笑
    氏本人もハッキリと世界で戦う為に必要なコストダウンと断言してますから・・・
    今の状態で世界で戦う為に必要なのはコストダウンじゃないでしょ

    まぁ今のアニメーターには遊び心というか余裕が無くなってるのは確かでしょうな
    技法的には出尽くした感がある上に環境が悪い
    あぁ創る側にならなくて良かった(苦笑

  7. avatar
    Go-1 8月 17, 2008 11:45 pm  返信

    >2台目

    例えば、板野サーカスはイイ意味で有名だけど、
    彼のキャラ絵はイタイと思うんだよ、オレ(笑)。

    そもそも、美樹本の絵なんて、本人以外に描けないよw

    土騎手や金田や北爪なんて、端っから似せる気なかったよね、
    キャラ設定に(笑)。

    そういう意味ではオレ、今でこそ「世界の」なんて言われてる
    押井の絵がキライ。

    パトレイバーもうる星も甲殻も、絵が嫌いさ。

    Fの19話は、美星の屋上でのミシェルの顔が端折って描いた風になってたのが、気になるか気にならないかじゃないのかな。
    あと、ブレラに言われて気合いの入ったランカの表情が、とか。

    オレ自身はホント気が付きはするけどだから何さ?って言う程度。
    一般人よりは上手いにしても、プロの中でも上手いヘタはあるさ。

    むしろ、オッサン世代としては、ランカの八重歯があったりなかったりの方が気になるんじゃね?
    あれ、どう見ても最初に描いたヤツがいて、それ以降八重歯ありじゃん的に現場でやってるよなw

  8. avatar
    2台目 8月 17, 2008 11:16 pm  返信

    さっきカミさんと見たんですけど・・・
    そんなに騒ぐ程作画乱れたシーンあったすかねぇ?
    ってのが共通意見
    ぶっちゃけ70年代からアニメや特撮見てる人間にしてみれば
    全然気にならないレベルなんですが

    とはいえ商業作品を作る上で納期と作品レベルの維持って
    結局はバランスなんですよね
    一視聴者としてはクオリティの高いものを望むし
    それなりに文句は言う
    でもネット上でやってる事はチョット違うね
    まさに青い青臭い

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